ホワイトペーパー公開:持続可能かつ収益性の高い成長を可能にするトータルマーケティングROI

2020.05.21 広報室

KANTARが持つこれまでの知見では、今回の新型コロナのような危機が過ぎ去った後、消費者は、経済の先行き懸念から以前よりも考えて購入するようになり、ブランドへの信頼と製品やサービスの価値をより重視して選択するようになります。そして、多くのブランドは、そのような消費者心理を受けて、短期的にセールスを回復するために値引きや販売促進を行う傾向がありますが、それにより利益率は下がり、また、下がってしまった価格パーセプションを高めることは容易ではありません。

一方で、価値は価格だけで説明されるものではありません。危機を成長機会に変えたブランドは、消費者の生活の中での役割や、そのブランドを購入する理由を思い出させ、ニーズの変化を素早く察知してイノベーションを起こし、購入や消費者をしやすくする工夫を行います。今回ご紹介するKANTARのAnalytics Practiceが作成したホワイトペーパーは、オリンピック延期と新型コロナ危機という2つの想定外な出来事によって白紙となったプランニングを再開するにあたって、持続可能で収益性の高いブランドの成長について考える一つの視点になると思います。

パフォーマンスマーケティングをバランスさせる

パフォーマンスマーケティング(短期)とブランドビルディング(長期)のバランスをとることが、持続可能で収益性の高いブランドの成長につながります。WPPとKANTARが行っているブランド価値ランキングBRANDZ(ブランドZ™ )は、常に強力なブランドが優れた株主利益を生み出し、景気後退の影響を受けにくく、景気後退の影響からの回復が早いことを実証してきました。

ブランドエクイティを構築し、持続可能な長期的な効果を生み出すマーケティング手段は、短期的な効果を促す手段とは一般的に異なることが分かってきています。長期的なマーケティング努力の中には、短期的な効果を生み出すものもありますが、その逆は当てはまりません。短期的な効果の蓄積がブランドへの愛着や収益性の高い成長性につながるわけではないことに注意が必要です。そのため、広告の長期的な効果がどのように働くのか、短期的な取り組みとどのように両立させることができるのかを理解することが重要です。

私たちが実施してきた実証研究では、テレビ、デジタル動画、ペイドソーシャル、PR、体験型イベント、スポンサーシップなどのマーケティング手段は、ブランド構築効果において効果的かつ効率的であることが示されています。一方、購入導線上の意思決定に近いところで消費者に到達するコミュニケーションチャネルは、最後のワンプッシュとして需要の刈り取りには有効であるものの、ブランドエクイティを構築することはできません。つまり、短期と長期のバランスをとることは、チャネルや予算配分に大きな意味を持つということです。

様々なマーケティングチャネルがどのようにして短期的・長期的な売上成長を生み出すのかを理解することは、マーケティング担当者がブランド構築とパフォーマンスマーケティングを適切に組み合わせて展開するために必要な第一歩となります。それができれば、マーケティング担当者は、この繊細なバランスを財務チームや経営陣に示すことができ、最終的には成長を可能にするための予算配分を実現することができるようになります。これには、最適化のためのトータルマーケティングROIのアプローチが必要です。

短期的な効果と長期的な効果の理解

短期的な効果と長期的な効果の両方を理解することは、ブランドの全体的なマーケティング効果を評価し、どの手段が即時の売上を牽引し、どの手段が長期的なエクイティとベースラインの成長を構築したのかを定量化し、最終的にはマーケティングミックスの配分を最適化して持続可能な成長を生み出すための鍵となります。小売業のクライアントでは、トータルマーケティングROIのアプローチにより、ブランド構築のためのメディアやメッセージへの支出を増加させ、ブランドの長期的な効果とベースラインの成長により、総売上を10%増加させることができました。 

持続的で収益性の高い成長を実現するためには、ブランドは今日の売上と明日の需要を確保するように考え、行動しなければなりません。このバランスをとるためには、マーケティングリーダーはROI測定とマーケティング予算の配分をより全体的な方法で行い、時にはほとんど無視されている販売実績の重要な側面を検証する必要があります。

あなたへの5つの質問

  1. 短期的なマーケティング主導型の売上とベースライン型の売上は、それぞれどのようなトレンドですか?
  2. ベースラインセールスは、売上増分と同じペースで伸びていますか?
  3. ブランドエクイティは、将来、持続可能性のカギとなる消費者セグメントで成長していますか?
  4. その消費者セグメントの中で、ブランドへの愛着を高めるのに役立つタッチポイントを把握していますか?
  5. それらの効果をアーンドメディアやオウンドメディアで、さらに拡大していくためにはどうしたら良いですか?

これらは、成長の可能性を見極め、短期的な売上高の伸びと持続的で収益性の高い長期的な需要の繊細なバランスを実現するための重要な出発点となります。


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