KANTAR MILLWARD BROWN

複数の調査が一つで叶う「プラットフォーマー横断ブランドリフト調査」の提供開始

2017年9月13日 広報室

カンター・ジャパンは、デバイス横断かつプラットフォーマーも横断するブランドリフト効果測定調査 Brand Lift Insights Across Platformers(ブランド・リフト・インサイツ・アクロス・プラットフォーマーズ、略称:BLI AP)の提供を開始いたしました。これにより、広告主や広告代理店、媒体社はこれまで断片化していたデジタル領域でのブランド広告効果測定を一つの調査に統合することができます。

ブランドリフト調査の現状と課題

消費者のスマホシフトを受けてスマートフォンへの広告出稿が増加し、オンライン広告ではPCとスマートフォンの両方を含むクロスデバイスのメディアプランが増えてきました。アメリカのeマーケターによると、グローバルにおけるモバイルへの広告出稿額は、オンライン広告予算の半分以上で、広告予算全体でも1/4を占めるようになっています。日本でも、電通発表の「2016年 日本の広告費」では、インターネット広告媒体費が1兆378億円を超え、デバイス別ではスマートフォンが引き続き伸長していると発表されています。また、プラットフォーマーと呼ばれるYouTube、Facebook、Instagram、Twitter、LINEなどのメディアが台頭してきたことで、それらのメディアも同様にメディアプランに組み込まれるようになり、クロスデバイス、クロスプラットフォーマーでの広告キャンペーンが主流となりつつあります。

ブランド広告主にとってこのような変化は、メディアとコミュニケーションの選択肢を広げる「機会」をもたらす一方、それらへの投資判断をするための「事実」と、各メディアの特徴を有効活用するための「学び」という2つの課題を投げかけます。ブランドリフト調査*はこれらの課題に応え、変化の速いデジタルメディアをブランドコミュニケーションに活用していくために欠かせない調査手法ですが、直近のメディア変化はこの調査自体にも課題を投げかけます。
スマートフォンというデバイスは、ウェブブラウザとアプリで広告接触データの仕様が異なるため統合が難しく、各プラットフォーマーは質の高い広告接触データを所有しているものの、第三者には厚い壁に閉ざされており入手することが難しい状況にあります。そのため現状では、デバイスごと、プラットフォーマーごとに異なるブランドリフト調査が個別に実施されており、それぞれで実施するための条件や調査設計、設問数が異なっていることから、全体を俯瞰しづらい状況にあります。(図1)

▼図1:現状のブランドリフト効果測定と今後求められるブランドリフト効果測定

*ブランドリフト調査とは?

現カンター・ミルウォード・ブラウンに統合されたダイナミック・ロジック社のサービスが先駆けとなった調査手法です。オンライン広告の黎明期、従来のブランド調査手法ではオンライン広告のブランド効果を測定しようとしても、オンライン広告のリーチが低いため、測定困難でした。そこで、ブランドリフト調査は、クッキーによる行動データを活用して広告接触者と非接触者を判別し、両者のブランド態度を比較することで「リーチあたりのブランド効果」を可視化しました。これによってブランド広告主は、リーチを増やすべきかのメディア投資判断の「事実」と、詳細分析から得られるメディア活用のための「学び」を得ることができるようになりました。今ではさまざまなプレーヤーが同様の調査を提供しており、世界中のブランド広告主に活用されている手法です。

デバイス・プラットフォーマー横断を可能にする新ソリューション

この状況を打開する解決策として、カンター・ミルウォード・ブラウンが開発した新手法「PME」をBrand Lift Insights(旧AdIndex)に導入した、新ソリューション「Brand Lift Insights Across Platformers(以下、BLI AP)」の提供を開始するに至りました。このBLI APでは、既存のクッキーを利用したアプローチに加え、新手法「PME」を導入し、両アプローチを融合させることで上述の問題点を解決することに成功しています。

クロスデバイス、クロスプラットフォーマーでブランドリフト調査を実施するにあたって、広告接触状況を判別することは最大の課題と言えます。そのアプローチとしては、Webブラウザのクッキーの利用、スマートフォンアプリの広告IDの利用、またはクロスデバイスでユニバーサルIDを管理する調査パネルやDMPの構築などが考えられます。いずれも以下の図のように、対応可能なデバイスやメディアが限られますが、新手法「PME」とクッキーデータによる広告接触判定の2つのアプローチを融合させると、クロスデバイス、クロスプラットフォーマーで統合的にデジタル・キャンペーンのブランドリフト効果を測定可能にします。(図2)その結果、広告主や広告代理店、媒体社は、オンライン広告のブランドリフト効果について俯瞰した視点を手に入れるだけではなく、それぞれのデバイス、メディアにおける効果も把握することが可能になります。(図2)

▼図2: アプローチ別の測定可能環境

BLI APの広告接触判定は、二つの段階に分けて行われます。第一段階では、調査タグにより取得したクッキーデータを用いて、調査対象者全体からPCでの広告接触群を判定します。第二段階では、新手法「PME」を用い、第一段階で広告接触群と判定されていない調査対象者の中から、スマートフォンでの広告接触群を判定することで、調査対象者を「広告接触群(PC、スマートフォンいずれかもしくは両方で広告接触)」と「純粋な統制群(PCとスマートフォンのいずれでも広告接触なし)」に分け、最終的に両群を比較することでデバイス、プラットフォーマーを横断したブランドリフト効果測定を実現します。(図3)

▼図3: BLI APの広告接触判定フロー

なお、この新手法「PME」による広告接触判定は、英国のスマートフォン環境で広告IDを用いた手法と判定結果を突き合わせる精度検証が実施されており、その判定精度の高さが担保されています。また、日本でも既にパイロットスタディを実施しており、ご協力いただいた広告主からも、この手法の画期的な点を評価していただきました。

さらに、調査対象者を「広告接触群」と「純粋な統制群」の二つの段階に分ける過程では、広告接触群は「PCのみ接触」、「スマートフォンのみ接触」、「両方に接触」の3つのグループに分類されているので、デバイス別のブランドリフト効果を明らかにすることも可能となります。(図4)

▼図4:アウトプットイメージ①

また、「PME」はスマートフォンでの広告接触群を判定する過程において、プラットフォームごとでも広告接触判定を行うため、プラットフォーマー別のブランドリフト効果も同時に明らかにすることができます。(図5)

▼図5:アウトプットイメージ②

このようにBLI APは、これまで部分的に実施されていた広告キャンペーンのブランドリフト効果測定を一つに統合し、広告主や広告代理店、媒体社にオンライン領域全体を俯瞰できる新たな視点を提供します。

カンターのキャンペーン効果測定ソリューションのポートフォリオ

カンター・ジャパンでは、このほかにクライアントのニーズに応じて複数の効果測定ソリューションを提供しています。主要なものとして、デジタル・キャンペーンのブランドリフト効果測定を行うためのBrand Lift Insights*1 (ブランドリフトインサイト、略称:BLI)や、デジタル・キャンペーンに加え、テレビCMや屋外・交通広告などのオフラインでのキャンペーンまでの包括的な効果測定を行うCrossMedia Research(クロスメディアリサーチ)*2  がありますが、これらの効果測定ソリューションは、それぞれに効果測定の対象となるメディアが異なります。(図6)

*1 Brand Lift Insights(旧AdIndex)
カンター・ミルウォード・ブラウンのBrand Lift Insights(BLI)は、デジタル・キャンペーンがブランド指標に与える影響を特定する、世界で最も有効なソリューションです。20年前の史上初のバナー調査以来、進化を続ける多様なデジタル媒体で15,000回以上の調査を実施してきた実績を持っています。この調査は、条件を揃えた広告接触群と統制群を比較し、デジタル・キャンペーンがブランドにもたらす影響を明らかにするもので、日本ではカンター・ジャパンが提供しています。

*2 CrossMedia Research
カンター・ミルウォード・ブラウンのCrossMedia Research(クロスメディアリサーチ)は、デジタルメディアだけでなく、テレビや屋外広告といったオフラインメディア、店頭活動やアーンドメディアのブランド効果とその効率を明らかにし、キャンペーンの効果測定、メディア投資比率の改善、メディアプランニングにおける知見を提供します。世界で40カ国以上、1500以上のプロジェクト実績があるカンターが持つ最上位の効果測定ソリューションの一つです。

▼図6:主要な広告キャンペーンの効果測定ソリューションと対象メディア

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Kantar Japan / Media & Digital
Marketing@kantar.com


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