2020.03.26

新型コロナウイルス感染拡大に伴うお客様へのビジネスサポートプラン―定性・定量のオンライン調査最新手法はこちら  

今こそ検討すべき「オンライン調査」最新手法のご案内

カンター・ジャパンは、現在の新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大の状況に伴い、あらゆる人々の健康と安全が担保されること、また、社会全体の感染拡大を食い止める努力をしっかりとサポートすることを弊社の最優先事項としています。また、国内・国外ともに、クライアントのご要望に応え、滞りなくリサーチ業務が遂行できるよう、定性・定量調査ともに、人の密着接触を最小限に抑えた調査手法を準備しております。

カンターでは、どのようなアプローチをとるかに関係なく、確実にビジネス上の答えを導くことに重点を置いているため、ここでは、当社の全オフィスが採用しているグローバルのベスト・プラクティスに基いて設計されたアプローチについてご紹介いたします。

対面式のフィールドワークは当面不透明な状態ですので、カンターではオンラインでの調査手法の特徴をフルに活用して、これまでどおり調査を実施しております。下記に紹介するオンライン調査手法をこれまで続けているなかで、日本では現時点でほとんど支障はみられておらず、生産性や実行可能性への影響も報告されておりません。


1: カンターのオンライン調査手法を取り入れた定性調査

新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大を受け、今までオフラインで、人を介して行うしかないと考えられていた定性調査に対し、安全性や生産性、実行可能性といった懸念が抱かれるようになりました。

しかし近年、テクノロジーの発展によって、定性調査はめざましい進化を遂げています。そのおかげで、カンターではこうした難しい状況下でも従来と変わらず調査をオンライン上で行い、クライアントの皆さんにとって重要なビジネス決定を下すためのサポートをすることが可能な状態です。


オンラインでの定性調査は、特定のニーズに合わせたオンライン調査手法に、カンター独自のソリューションを用いて、クライアントのビジネス課題に合わせてカスタマイズ設計されています。

以下にいくつかのソリューションをご紹介いたします。

SPOTLIGHT

オンラインインタビュー(デプス、フォーカスグループ)

遠隔アクセスしやすいバーチャル環境が、参加者(参加者同士)とモデレーターとのやり取りをサポート。クライアントは、リアルタイムでインタビューの内容を遠隔モニター可能となります。直接対面式インタビューと同じように、刺激物(文章、画像、動画)を提示し、対象者の反応を取ることができる。

事例紹介

たとえば、日本国内ですでに行ったコンセプト検証では、セルフモデレーションによるモバイルインタビュー(Spotlight) を利用し、コンセプトの改善点を探る目的で、様々なコンセプトを提示。それぞれに対する即座の反応を収集する。


i-Witness

セルフ・エスノグラフィー

意思決定や行動に及ぶまで、リアルな生活のあり方の中で即座の反応を得る上で最適なアプローチ。

  • 観察者がいないため、対象者たちはよりリラックスして、通常通りに振舞うことができる。
  • 自然な文脈の中でのニーズや情緒、行動について真の探索を必要としている時に推奨される。
  • 動画は即時アップロード可能。クライアントは、対象者が撮影した動画へすぐにアクセスすることができる。
事例紹介

製品が使用される実際のモーメントを捉えることで、クライアントのカテゴリーにまつわるインサイトを探索。ホームビジットでは捉えづらいモーメント(例:夜寝る前)には特に適したアプローチ。


ThinkTank

オンラインによるグループインタビュー

与えられたトピックにまつわる連続型の会話・やり取りや体系的なエクササイズに参加してもらうための、閉じられたネットワーク。 

  • 十分な相互交流を促すため、通常は3〜5日間から1ヶ月間かけて実施される。
  • 定性アプローチで採用されるケースが多いが、サンプル数が多い場合、いくつかの質問で定量アプローチを採ることも可能。
  • 本来グループダイナミクスで実施されるが、リサーチャーによる インプットよりも、対象者たちの流れやその場の勢いに従う形で行われる。これは、仲間同士のコミュニケーションを通じての自然なディスコース(連続して続く会話)を理解することが狙い。
事例紹介

クライアントのカテゴリーにまつわるインサイトを探索後、その時点で収集済みのインサイトをベースに、対象者たちに製品アイディアを考案、コンセプトのドラフトを作成してもらう。また、同じプロジェクト内で考案された製品アイデアやコンセプトに対する検証も実施する。

対象のテスト製品を次の段階に進める上でふさわしいかを理解するため、対象者たちが実際の生活においてテスト製品に示した反応を探索する。改善点があった場合も明らかにされる。


このように、オンラインでの定性調査手法では、カスタマー ジャーニーや製品ライフサイクル全体にわたってのサポートが可能です。また、ターゲット層の理解からイノベーション/クリエイティブ開発の検証まで、あらゆる段階に適応することができる他、ターゲットとなる消費者が特定のブランドとの間で育む体験/関係性に関する探索にも適しています。

2: カンターのオンライン調査手法を取り入れた定量調査

定量調査のためのソリューションの多くは、既にオンラインでの手法が確立されていますが、カンターはこれまでにも世界各国で数多くのクライアントとともに、製品テストやパッケージテストといった、調査計画の最終段階にあるオフライン調査を現在はオンラインで実施しています。対象カテゴリーは、たばこ、食品、アルコール飲料、ノンアルコール飲料、パーソナルケア用品、家事用品・・・と多岐に渡っています。

➊実際の商品を使ってもらう調査(ホームユーステストなど)

 これまでは、機密保持のため、対象者に特定会場に来てもらい、そこで製品を使ってもらったり、対象者の自宅で使ってもらうにしても、対象者の身元確認のために調査員が手渡しをしていたのが現状でした。カンターでは、宅配便の「ID確認」サービスを使うことで、人を介さずに対象者本人に郵送で製品を届け、その後、対象者にオンラインで回答いただくという流れで実行しています。

パッケージ調査 事例

  • 国内では、2018年以来、40件を超えるオンラインでのHUT(ホームユーステスト)を実施している。
  • 自社でのパイロット調査、そして多数のクライアントとの協同で高いコスト効率かつ時間のかからないパッケージのスクリーニングを実施、最も高い可能性が見込まれるパッケージを特定し、次の段階である掘り下げた評価へと繋げてきた。
  • また、実際の状況をシミュレーションできるバーチャル環境(あるパッケージが手に取られ、購入されるまでの過程を「観察」する、System 1)を利用することで、多国間でのパッケージデザイン評価を実施している。

製品テスト 事例

オンライン上でリクルートされた対象者、または既にオンラインコミュニティーに登録されたメンバーを対象として製品テストを実施する。テストで使用する製品は各対象者宛に配送され、製品評価はオンライン上で完結する(PCまたはモバイル機器を使用)。

  1. クライアントにより、テスト対象製品が特定される
  2. ターゲット層の消費者をスクリーニングし、適切な対象者をリクルート
  3. 選ばれた対象者宛にテスト製品を配送
  4. 各対象者に、普段通りにテスト製品を使用してしてもらう
  5. テスト製品の使用後、各対象者に製品に対する全体評価を行ってもらう(この評価は、PCまたはモバイル機器を使ってオンライン実施)
  6. 標準化された診断&レビューを実施・・・
  7. アウトプットは、タブレット機器またはパワーポイント形式で納品
    (近々導入予定:実査中にクライアントがアクセスできるリアルタイムレポーティング&分析の実施 )

❷オンラインで行うパッケージデザインのスクリーニング

実物を対象者に見てもらわないと実行不可能と思われていたため、会場テストとして行うことが多いパッケージ調査も、テクノロジーの発展により、オンラインでの新たな可能性が開かれており、高いコスト効率で迅速にパッケージ候補をスクリーニングすることが今は可能になっています。

以下にご紹介するような確立されたツールを使うことによって、オンラインです迅速に実施することができるようになりました。

Pack Express(パック・エクスプレス) 

確実に優位なパッケージデザインを、短い応答時間で特定するのに役立つソリューション。実際に有効に働く要素に関して明確な提案とアドバイスが提供される。

Google が提供するツール、Googleサーベイを通じて、モバイル機器を使用したパネルを活用。競合と比較して目立つ度合いや購入意向、ブランドやデザインが及ぼす影響など、必要となる指標の測定を迅速に実施。クライアントが自信を持ってパッケージに関する決定を下せるようサポートする。

  • 従来に比べ、簡潔かつスマートな調査票
  • シェルフ不要、よりシンプルな代替手段
  • 調査結果は自動生成される

オンラインで行うパッケージデザインの最適化

昔は実店舗の商品棚を実際に再現して行っていましたが、テクノロジーの発展によって、実際の買い物シナリオを反映したバーチャルリアリティ環境の設定が可能となっています。

オフトレードのバーチャル店舗:リアルなショッピング環境(実店舗&オンライン店舗)を再現するため、カンターは、リアリティーのある形でブランドを冠した、またはノーブランドのバーチャル店舗を150店舗以上保有しています。商品選択、吟味する時間、購入コンバージョン、クロス購入・・・こうした消費者行動を観察データから理解できるため、消費者にダイレクトに行う必要がなくなります。

シェルフ・ナビゲーション
競合との比較で、自社のパッケージはどのくらいの速さで消費者から注目されるているかを把握

ヒートマップ
消費者の注意を喚起しているのは何なのかを把握

以下にご紹介するような確立されたツールを使うことによって、オンラインです迅速に実施することができるようになりました。

Pack Evaluate(パック・エバリュエート)

先駆的バーチャルリアリティ技術を用いることで、実店舗およびオンライン店舗の環境を再現することが可能になりました。購入に至るプロセスを正確に理解するため、行動療法および人間の思考モードの自動的で処理が速い「システム1」が採用されています。優れたコスト効率で迅速にテストを実施しており、ブランド成功を推進させるための製品パッケージの最適化をサポートしています。

消費者が商品棚を見て、パッケージと相互作用する時間の長さと、消費者の買い物カゴに投入される内容によって、エンゲージメントやパースエイジョン、メンタル・アベイラビリティを測ることができます。また、当社独自の直感的なアソシエーション課題を通じて、パッケージがどの程度ブランドとマッチしているかを評価することが可能です。つまり、24時間・年中無休で本物を再現できる環境があるため、リアル店舗や模擬店舗で実施する必要はなくなります。


この記事に関するお問い合わせはこちら

カンター・ジャパン 
marketingjapan@kantar.com

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