2017.01.12

史上初のデジタル・ネイティブ「Z世代」の攻略ポイントは、音楽!

世界39か国で実施された動画広告の視聴態度・調査最新版「アド・リアクション」ローンチのお知らせ

カンター・ジャパンは、人々がどのように広告を知覚しているか、2001年から実施している「AdReaction」の調査結果を毎年公開しています。

今回発表するKantar Millward BrownのAdReaction最新版レポートは、日本を含む世界39カ国、16,000人以上の消費者の調査(2016年実施)に基づいて、主要メディアの消費パターン、広告に対する態度や特定のアプローチへの対応を分析しています。

本調査によると、ポストミレニアル世代とも呼ばれる「Z世代」は、独自の行動、態度、広告に対する反応を持っていることが明らかになっています。世界のZ世代(5-19歳)の人口は全体の27%(約20億人)を占め、日本においては、人口の4.7%(約600万人)にあたります。現在年齢が16-19歳となった成長中のこの世代を対象に、今回初めて意見調査も行うことができました。

カンターは、マーケティング担当者にとってますます重要性を増している「Z世代」を中心に、3つの世代(本調査対象は、X世代:35-49歳、Y世代:20-34歳、Z世代:16-19歳)の広告受容性について研究分析しており、どんなアプローチが最も効果的であるかについて実践的なアドバイスを提供いたします。

本リリースでは、日本における上記3世代についてのデータと分析結果をもとに、今後注視されるであろうZ世代がマーケターにもたらす課題と、攻略するためのTIPSをご紹介いたします。

日本のZ世代の関心を引きつけるために

Z世代は、生まれたときからデジタルに囲まれて成長してきた「デジタル・ネイティブ」で、日本では67%が モバイルを「1日に1時間以上利用する」と答えており(Y世代は57%、X世代は29%)、多くの時間をモバイル機器に費やし、ラップトップからモバイルへのシフトが他の世代と比べて顕著に見られます。屋外に出る機会もこの世代の特徴であり、モバイルと連動させてメディアシナジー効果を期待するような取り組みも考えられます。また、日本では世代に限らずテレビの利用も多く、Z世代の71%が「1日に1時間以上テレビを見ている」という結果が特徴的です。では、ブランド広告が、このZ世代に少しでも強い印象を残し、好感を得るにはどうすればよいのでしょうか。

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TIPS1 ユーザーそれぞれのオンライン空間を尊重すること

Z世代はデジタル上の広告に最も懐疑的な世代と言えます。モバイル用の動画リワード広告を好ましいと捉え、スキップできないプリロール広告やバナー内の自動再生広告などの侵入的広告には否定的な態度が目立ちます。広告ブロッカーの利用率が最も高いY世代に牽引され、Z世代もまた広告をブロックするためのソフトウェアを使い始めています。さらに、他の世代以上に待つことを好まないZ世代は調査データによると、動画広告の時間は10秒以内のものを好み、20秒までが許容範囲となります。

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TIPS2 創造的なアプローチが違いをもたらす:

「広告がどんな要素を持っていると肯定的に受け止められるか」を聞いた回答が下図になります。日本のZ世代が良い音楽を要素として持っている広告に対して、他の世代よりも好意的だと答えています。また、Z世代の30%が「音楽のある環境で広告の印象が良くなる」と答えているデータもあり、音楽が広告の受容性に与える影響が大きいことがわかります。さらに、この世代は何かを作り上げる過程に関わったり、さらにその結果を見ることができたりするようなユーザー参加型の広告に魅力を感じています。「広告の受け手が次に起こることに投票する」または「広告の受け手が自分で決定する」といった、受け手が次に起こることを方向付けることができるような手法をとるブランドを、より好ましいと捉えているようです。

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TIPS3 これまで以上にソーシャルな世代であることを理解する:

Z世代は、費やす時間においても、利用しているプラットフォームの数という点でも、ソーシャルメディアのヘビーユーザーと言えます。グローバルデータでは、Facebook やYouTubeはもちろん、Instagramや Twitter、Snapchatも含まれていますが、日本のZ世代においては、YouTubeとTwitter の利用率に高く表れています。

まとめ

総合的に見ると、Z世代はたくさんの選択肢の中から、好きな時間に好きなコンテンツを視聴するオンデマンドの世界で育っています。

こうした背景は、彼らの広告に対する好感に顕著に反映されることになります。ブランドからの情報を好むX世代、他のユーザーのレビューやソーシャルメディアからの情報を好むY世代に対して、Z世代は、自分が参加できるブランドのイベントやソーシャルメディアのフィード、セレブリティが薦めているかどうか、といったことをより重視する傾向がグローバルレポートでは見受けられます。

世代の特色は一枚岩ではないものの、その世代の育った背景や嗜好、デジタル技術へのアクセスの仕方などが独特の態度や行動を生み、マーケターに対して新たなマーケティング課題を呈するのです。X世代からY世代、そしてZ世代と、若年層になるにつれ広告への好感が得にくくなるなか、最も広告に対して批判的なZ世代への考慮と施策は、最終的に彼らの関心を引き付ける広告を作ることにつながるはずです。

グローバルレポート『AdReaction—Engaging across generations』はこちらからダウンロードが可能です。

調査概要

  • 【調査名称】『AdReaction』(2016年アド・リアクション調査)
  • 【調査実施会社】カンター・ミルウォード・ブラウン
  • 【調査方法】スマートフォン、もしくはタブレットによる調査 (以下も含む)
    *アメリカ・ドイツ・中国のZ世代に対する質的調査
    *10か国のテレビおよびデジタルプラットフォームで31のテレビ広告テスト
  • 【調査対象】16歳から49歳のマルチスクリーンユーザー。マルチスクリーンユーザーとは、テレビを所有(又は使用)し、かつスマートフォン又はタブレットを所有(又は使用)している人
  • 【対象者数】約16,000名(39ヵ国)うち、日本での調査対象者数は600名
    Z世代 (16-19歳) = 154/Y世代 (20-34歳) = 220/X世代 (35-49歳) = 226
  • 【調査国】
    AFRICA & MIDDLE EAST : エジプト,イスラエル,サウジアラビア,南アフリカ
    ASIA : オーストラリア,中国,香港,インド,インドネシア,日本,韓国,フィリピン,台湾,タイ,ベトナム
    C&E EUROPE : クロアチア, チェコ, ギリシャ,ハンガリー,ポーランド,ルーマニア,ロシア, スロバキア,トルコ
    WESTERN EUROPE : ベルギー,フランス,ドイツ,アイルランド,イタリア,オランダ,スペイン,イギリス
    LATAM : アルゼンチン,ブラジル,チリ,コロンビア,メキシコ
    NORTH AMERICA : カナダ,アメリカ
    ※本文を引用される場合は、出典が「カンター・ジャパン」であることを明記してください。

本リリースに関するお問い合わせ先
株式会社カンター・ジャパン
広報
Tel:03-6859-4254
E-mail:marketingjapan@kantar.com

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