2017.05.04

CONNECTED LIFEとは何か

統合マーケティング力を強化するために


近年のタッチポイントの増加により、マーケティング機会は増え、企業にとって最良の結果を導くために行う意思決定がこれまで以上に難しくなっています。

消費者が様々なデバイスや媒体を利用する現在の環境において、マーケティングエコシステム全体に及ぶ優れた「インサイト」は、カスタマー・ジャーニー全体に影響を与えるコンテンツ開発とタッチポイント戦略構築の強化につながります。

KANTAR TNSによる「CONNECTED LIFE」(コネクテッド・ライフ調査)は、依頼いただく企業の業務分野における消費者行動がどのように変化しているのかを理解するだけにとどまらず、近年の「コネクテッド・ワールド」における企業のベストな意思決定に貢献いたします。

新たなインサイトにコネクトできる


コネクテッド・ライフ調査の対象はオンライン人口の 90%に及び、統合マーケティング力の実現や強化のために展開すべきオンライン、オフラインのタッチ ポイントに関する重要なインサイトを提供します。具体的には、カギとなる以下の 6つの目的に焦点をおいた戦略構築をお手伝いいたします。

・ベンチマーク
・タッチポイント計画の改善
・エンゲージメントとアドボカシーの推進
・購買者のジャーニーの円滑化
・購買者の活性化
・顧客の満足度の向上

ABOUT THE STUDY


コネクテッド・ライフ調査は、世界56市場における7万人の消費者を対象にし、様々なタッチポイントを利用するようになった消費者に関して世界で最も包括的な見方を提供し、市場、ターゲット、消費者セグメント向けのマーケティング戦略の構築を可能にします。

媒体の消費、デバイスインフラ、デジタル活動、時間帯別の使用、 調査/購買(オンライン、オフライン)、回答者プロフィール、分野別タッチポイント、およびオンラインカスタマーサービスについて調査し、その結果をお客様の主要ターゲットグループにフォーカスできるようにカスタマイズし提供しています。またこの調査では、対象者をセグメンテーションし、セグメント毎のタッチ ポイントの利用状況や程度とその社会的影響を評価しています。このセグメンテーションは、他の調査にも適用でき、前年度版の結果と比較することが可能です。

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グローバルレポート(英語)

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CONNECTED LIFE 2017 概要

最新の「Connected Life(コネクテッド・ライフ)」調査では、オンラインの普及によりブランドと消費者が交流しやすくなりタッチポイントがより増加する中で、消費者が抱く感情を4つの「TRUST」(信頼度)の分野において分析しています。また、その結果、日本のようなデジタルエコシステムの成熟度の高い先進市場と、携帯電話がオンライン接続の第一手段である新興市場とでは、まったく対照的な傾向があることが明らかになっています。


テクノロジーへのトラスト/ Trust in technology

—オンライン上でつながるブランドを信頼している消費者は少ない
最新の調査データによると、日本人は1日あたり約4.1時間もインターネットを利用しているにも関わらず、ブランド側はオンラインのチャネルを通じて消費者とつながることに苦戦していることが分かっています。また、消費者は、個人データを得ようとするブランド側の動機に懐疑的であるため、ブランドと消費者が関わる機会は減少の危機にさらされていることも明らかになっています。
アジア・パシフィック地域のデータを見ると、この傾向は日本に限らず、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などの他の先進市場で更に低い状態にあり、それぞれ19%、21%、31%となっています。対照的に、携帯電話がオンライン接続の第一手段である新興市場においては、オンライン上でもたらされるブランドとつながる機会に対して楽観的であり、信頼度の数値は大幅に上昇します。ベトナムでは、54%の人がオンライン上のブランドを信頼しており、ブランドの提供する商品、コンテンツやメッセージを好意的に受け止めていることが分かり、デジタルエコシステムの成熟度によって、消費者の二分化が見られました。
日本のデジタルエコシステムは発達しているにも関わらず、チャットボットのようなAIを搭載した機械とのやり取りについて、「質問に対してより速く回答が得られるのであれば受け入れるであろう」と回答したのは28%のみでした。テクノロジーの進化は人々の生活をより便利にシンプルにするためですが、逆にそれによって悩まされていることも明らかになっており、16-24歳の日本人の38%が携帯電話を日々の生活の中で使いすぎていると考えているようです。(図1)

コンテンツへのトラスト/ Trust in what I see

—ソーシャルメディアのプラットフォームに強い不信感
多くのブランドが消費者により速く、簡単にリーチするためにソーシャルメディアのプラットフォームに依存しています。しかし本調査では、フェイクニュースなどの間違った情報の氾濫により、それらのチャネルのコンテンツがますます消費者から疎まれ、信頼性を失っているということが分かっています。オーストラリアの消費者の半数近く(47%)が、ブランドによってソーシャルメディアチャネルに投稿されるコンテンツは意味のないものだと感じています。日本でも、35%の消費者はソーシャルメディアのフィードで目にするコンテンツに対するプラットフォームからのコントロールに懸念を抱いており、ニュージーランドやオーストラリアではその数値はそれぞれ51%、50%にも上ります。(図2)しかしこの割合は、インドネシアでは15%、ベトナムでは14%にまで下がり、アジア・パシフィック地域の新興市場においては明らかに対照的であることが分かります。

データへのトラスト / Trust with my data

—半数以上の消費者が、ブランドが保有する個人情報量に懸念
データに関して言えば、日本を含む先進市場の消費者は、オンライン上で提供している自分自身の個人情報の量について、より用心深くなっていることが分かっています。日本の消費者の半数近く(48%)が、どんなに便利になるとしても、自身の行動を監視するデバイスに接続することに抵抗感を抱いており、さらに51%の人は、ブランドが所有している自身の個人データの量に関して懸念を抱いています。アジア・パシフィック地域全体でみると、その数値は52%に上がります。(図3)これは、世界平均の40%よりも高い数値でした。
しかし、新興市場ではこの数字はかなり低くなり、例えばミャンマーでは12%、フィリピンで15%、ベトナムで18%、タイでは20%となっています。このような国々では、ブランドから得られる取引上の恩恵(個人データを提供する代わりに受け取る謝礼など)に対する消費者の期待が高いようです。

e-コマースへのトラスト/ Trust with my money

—携帯電話で購入決済をしたいと回答した日本の消費者は、たったの14%
ワンプッシュでお気に入りの商品を注文できる「購入ボタン」やモバイル決済など、近年、eコマースがより身近になる新しいテクノロジーが次々に導入されているにも関わらず、多くの消費者がその恩恵を得ることよりも、その信用度について慎重になっています。デジタルエコシステムが成熟している日本でも、携帯電話で商品購入の決済をしたいと回答した人はたった14%です。ブランドや企業が消費者にオンライン決済をもっと受け入れてもらいたいと考えるなら、それによって得られる恩恵を偽りなく、適切な形で示す必要があることは明らかです。
この傾向は、アジア・パシフィック地域全体においても同じで、消費者の多くはモバイル決済をほとんど受け入れていません。これはオーストラリアやシンガポールなどの先進市場にも当てはまり、決済エコシステムが進歩しているにも関わらず、それぞれ53%と42%の消費者は、携帯電話を利用した決済はしたくないと考えています。(図4)
一方、新興市場となる中国の消費者の64%は、全ての買い物を携帯電話で済ませることを好む傾向がありますが、タイとベトナムの消費者の46%は、モバイル決済を使用したくないと回答しています。これは、クレジットカードの所有率の低さ、そして詐欺的商品の多さや物流の未発達などが障壁となっているとみられ、革新的なソリューションが求められていることを意味しています。

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