2019.07.24

アジア地域の消費者の衝動買いが減少、ブランドの持続的成長はさらに困難に

カンター、世界の消費動向調査「Mastering Momentum」レポート公開

カンターが公開する調査レポート「Mastering Momentum in Asia Pacific」は、日本を含むアジア11か国のインターネットユーザーを対象に行われた調査を基にまとめています。本レポートでは、消費者行動の変化により、企業は長期的なブランドの成長とその維持に苦戦していることが示されています。

数年間にわたる急速な経済発展後、アジア太平洋地域の成長は減速し始めています。また、本調査結果では、同地域の回答者の85%が、2年前と比較し衝動的な消費は減ったと回答しており、消費者がますます購買に対して慎重になり、熟慮するようになっていることも明らかにしています 。今や消費者が、ブランドの誇大宣伝やインフルエンサーに影響を受ける可能性は徐々に低くなっており、これまでに培った幾層もの「ブランド理解」に基づいて選択を行っています。このことは、マーケターが長期的なブランド構築に焦点を合わせる必要があることを表しています。

本調査で明らかになったことは、今あらゆるブランドが成長を維持することに苦戦することになるということです。当社は、3,907のブランドを3年間にわたって ブランドZ で測定し続け、さらにブランドの継続的成長において予想を超える業績をあげているブランドを絞り込み着目しています。1年間にマーケットシェアを成長させたブランドは世界中でたったの6%にも満たず、このうち、その成長を3年間にわたって維持できたブランドは10ブランドのうち6ブランド、さらに初年度を越えて利益を伸ばし成長しているブランドは10ブランド中たったの1ブランドであることが、本調査で明らかになっています。

また、ブランドにとっての成長機会についても言及しています。ブランドが消費者との有意義なつながりを確立し、結果的に長期的成長につながる関係を構築する必要があることは明確ですが、最近の購入体験に関する質問に対して98%の回答者は、「購入前にすでにそのブランドについて知っている」と回答し、このうち72%は「非常によく知っていた」と回答しています。

本レポートでは、デジタルテクノロジーを使った露出がブランド構築の重要な入り口であることも明らかにしています。 消費者の目に留まるのが難しい時代だからこそ、ブランドの認知やその選択意向を高めるために正しいメディアを使って説得力のある広告投下が必要です。

  • アジア地域の回答者の3分の2(65%)とミレニアル世代の78%は、新たなブランド発見においてモバイル機器が重要な役割を果たしていると答えています。
  • インスタグラムのようなプラットフォームは、中心的な「ディスカバリー」チャンネルとして現在多くの市場で使用されており、人々は新たなブランドを見つけるため、雑誌をめくるのと同じ感覚でスクロールしています。

しかしながら、プログラミング技術の進歩と、ますます個別化される広告にもかかわらず、3分の1以上(38%)の回答者は、自分に関連のない広告が表示されると答えており、ブランドがターゲット力に磨きをかける必要性があることを示唆しています。

カンターインサイト部門の Regional Director である Anita Rao Kapur は、次のようなコメントを残しています。

現在のアジアの消費者はきわめて優れた洞察力を持ち、数多くのインタラクションによって蓄積された、ブランドに関する豊富な知識に基づいて購入するものの選択を行っています。持続的な成長を求めるブランドは、消費者の購買に関連するすべての購入タイミング(モーメント)について正確に把握し、短期的なインタラクションがどのように長期的な展開に貢献できるかを理解している必要があります。

当社が昨年実施した「Getting Media Right 2018」の調査レポートでは、長期的ブランド構築と短期的パフォーマンスのどちらも測定しているアジア地域のマーケターは、全体の45%のみであることが分かっています。

それを受けて、本レポートではブランドが持続的な成長を実現するために、購買者のライフサイクルにおける次の3つの重要なポイントに焦点をあてることをマーケターに強く推奨しています。

  • Experience ブランド体験:成長の基盤となる既存顧客に良好な体験を提供し、満足度を高めることで、リピート購入による売上に影響を与える
  • Exposure 露出:説得性のあるクリエイティブと的を絞ったメディア投資を通じて潜在顧客に働きかけ、他社との有意な違いを確立することでそのブランドの選択意欲を高め、未来の売上に影響を与える
  • Activation 態度変容・購買への働きかけ:ブランドとその独自性が消費者の購入場面で明確になるようにすることで関心を掴み、直近の売上に影響を与える。

カンターインサイト部門の チーフグローバルアナリストであるNigel Hollis は、次のようなコメントをしています。

長期的にブランド成長を持続させることはますます難しくなりますが、次の四半期に数字を伸ばすこと以上に長期的成長のために最適化を行うことを考える企業には大きなチャンスがあります。いまという重要な瞬間に、ブランドマーケティングができるブランドは、世界経済の変動に左右されることなく、成長の勢いを維持できるブランドとなるでしょう。

私たちは、人々の持つすべての考えを把握することはできません。しかし、消費者の変化の微妙な指標をモニタリングすることにより、マーケターは迅速に最適化を行い、必要な分野に投資することができます。成長の流れをプラスの方向に進めるために、当社のブランド・エキスパートは、貴社ブランドの構築方法、戦略方針の組み立て、購入までの仕掛けづくり、そして、ブランドの現在と将来の成功にとって最も重要な指標測定をお手伝いいたします。まずは本レポートをご覧ください。

※日本語版レポートは、8月中の公開予定です。

本調査 「Mastering Momentum 』について

アジア太平洋地域における本調査は、オーストラリア、インド、インドネシア、日本、韓国、マレーシア、ニュージーランド、フィリピン、シンガポール、タイ、ベトナムの11カ国、2,209人のインターネットユーザーを対象にした調査回答に基づいています。 調査は2019年5月と6月に実施しており、金融製品とパーソナルケア製品に関する習慣について、特に詳しく質問しています。本レポートに含まれる ブランドZの調査結果は、ブランドZデータベースに含まれている3,907のブランドのデータに基づいており、21か国および58の製品カテゴリで3年間にわたって測定されています。

ブランドZ(ブランドZ)』とは

ブランドZは世界最大のブランド資産データベースです。 毎年300万人以上の世界中の消費者アンケートの結果から集められるブランドデータと、各企業の財務実績や業績の分析を組み合わせた唯一のブランド評価調査で、毎年更新されています。直接消費者に対して行うアンケートでは、彼らが実際に買い物をしているカテゴリーについて評価をしてもらうことで、ユーザーの実体験に則した評価がデータに反映されています。データベースには、消費財(FMCG)、耐久消費財、サービス、店舗、企業ブランドなど、400以上の多岐にわたるカテゴリーにおいて、12万個以上のブランドの結果が含まれています。

2019年6月公開のブランドZグローバルブランドランキングについては、日本語字幕付きビデオを公開しております。詳しくはこちら

ブランドZは、カンターのブランドエクイティ測定のフレームワークに基づいており、20年以上に渡りセールスとの実証実験を繰り返すことで定期的に開発・改善が行われています。

※本文を引用される場合は、出典が「カンター・ジャパン」であることを明記してください。

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