直感の世界で勝つには?
今、マーケターに求められるデジタル広告の基本要素

2023.04.12 web管理者

デジタルネイティブのこだわり

近頃メディア等によく登場するワード、「タイパ(タイムパフォーマンス)」を耳にしたことはありますか?タイパは特にZ世代の間で重視されており、「効率よく時間を活用したい」「限られた時間の中でより多くの情報を得たい」などの意識の背景には、スマホとソーシャルメディアがある環境で成長したデジタルネイティブであることも理由に挙げられます。彼らは、情報を得る際に「ビジュアルと音楽を重視」し、「広告への注意が短く、広告を避ける」などの特徴があり、だからこそ、デジタル広告を用いる場合は従来と異なる伝え方が必要になります。

従来のやり方が通用しないデジタル広告

デジタル広告へシフトするブランドが増加している中、テレビのクリエイティブをそのまま使用するケースがしばしば見られます。しかし、デジタル広告はテレビ広告とは異なっており、テレビでパフォーマンスの良いクリエイティブでも、デジタル上では成功率が50%未満であることがわかっています。

ソース: 78 ads reviewed globally* from within the Kantar LINK database – transference from TV to YT  or FB


また、テレビで効果的なクリエイティブであっても、アテンションスパンが短いデジタルでは、最後まで見てもらえない可能性が高いこともわかっています。特に消費者のマインドセットが、テレビはリラックした状態で受動的みられるのに対して、デジタル環境では人々は次のコンテンツを求めて能動的であることから、消費者からすると広告は邪魔なものとして敬遠され、すぐにスキップやスルーをされてしまいます。

ソース:Link Family


期待される広告視聴時間が、テレビは15-30秒であるのに対して、動画メディアは5-10秒、ソーシャルメディアは1-3秒程度 と非常に短い時間となります。デジタル広告は短い時間しかアテンションが向けられず、その限られた時間の中で、ブランドとコミュニケーション(意図したメッセージや印象)を届けなければいけないのです。だからこそ、瞬間的に何のブランドなのかであるのか、また意図する印象を残せる広告かどうかが重要になります。

デジタルの世界で勝つためのポイント

デジタルを有効活用する上で挙げられるテレビとの違いにコンテキスト(文脈)があります。テレビは露出量とクリエイティブの質の掛け算で欲求形成効果が成立しますが、デジタルはさらに「コンテキスト」が必要です。動画サイト、ソーシャルメディアなどのそれぞれの特徴や視聴者のプラットフォームの付き合い方など、コンテキストが変われば伝え方も大きく変わることを押さえる必要があります。



また、デジタル上では、一瞬の接触であってもブランドコミュニケーションを成立させるために、ファーストサイトでブランドとメッセージを伝えなければなりません。従来のテレビCMや広告ではまずはコンテンツでひきつけてブランド伝達とメッセージ伝達するのが方程式でしたが、SNSフィード上の静止画や短尺動画、SNSにおいては、レレバンス(視聴者との関連性)があるビジュアルをファーストサイト(初見)で提示し、ビジュアルキュー(ブランドの手がかりとなるビジュアル)を用いて伝え、直感的にビジュアルとテキストでメッセージを伝えるのが効果的です。Z世代には音楽も有効ですが、主要なSNSフィードメディアは音声OFFで利用されていることが多いので、 直感に訴えかける「ビジュアル」が大きな役割を担うのです。


したがって、強いブランドキューを既にビジュアルで構築できているブランドは、デジタルの世界でもそのアセットを活用することで瞬間的に何のブランドの広告であったかを記憶に残しやすくなります。記憶されるブランドはそれだけでも売れます。なぜなら、少なくともブランドが頭の記憶に残れば、マーケットシェアとの相関が強い想起性を維持・強化することができるからです。例えば、マクドナルドは店舗やテレビCMを通じてゴールデンアーチのブランドキューを確立しているので、デジタルでの瞬間的な接触であっても何のブランドの広告かは少なくとも残すことができます。


さらに、メッセージとビジュアルの関係性について興味深い説明をしている動画をご紹介します。 両者を例えるなら、メッセージが釘だとしたら、ビジュアルはハンマーの関係で、両者が揃うことで力を発揮するというのです。つまり、ビジュアルは感情を起こさせる強いパワーをもつため、メッセージだけでなくビジュアルがともなうことで、理解と印象の両方を形成するコミュニケーションとなり、結果、そのメッセージが受け入れられればそれはパーセプションとなり、視聴者のブランドに対する態度が変容します。 強いビジュアルキューを持つブランドは、デジタルの世界では有利だと言えるのです。



そして、大半の人は広告をわざわざ見ようとしないことも忘れてはいけません。人々は、むしろ広告をスキップするか有料サービスに移行するなどのお金を払ったり、ブロックする技術を使用したりなどして広告を避けようとします。もしくは、広告から目をそらす等して、広告が流れている間は何かほかのことに時間を充てるのです。これではどれだけ広告を投下してもブランドの意図は消費者に届きません。このこともデジタルで勝つために押さえるべきポイントです 。

デジタル広告効果を最大化するために 
― マーケターをサポートする調査ソリューション ―

ブランド広告は、投下してから効果を検証してトライ&エラーを繰り返すのは難しい領域です。心理的な効果を測定するにはブランドリフト調査が必要ですが、それはダイレクトレスポンス広告のようにクリック率やエンゲージメントでは最適化できるほど簡単ではないからです。そこで、広告の効果を事前に検証し、効率的なメディア投資を行って、広告キャンペーンの効果を最大化するための方法があります。それは、瞬間的に伝わるデジタル広告を作るための要素を見出すIdea eValuateと、出来上がった広告素材とメディアコンテキストの相性を踏まえて効果を測定するContextLabです。


例えば、Idea eValuateでは次のような場合に有効です。

  • どのアイデアが多くの消費者を最も引き付けるかを知る
  • どのアイデアがブランドフィット(ブランドらしさ)を強化するのかを知る
  • どのビジュアルアセットが瞬間的にブランドを想起させるのかを知る
  • どのクリエイティブデバイスが意図したイメージやメッセージを伝達するのかを知る
  • 可能性を最大限に引き出すため、アイデアの直感的な強みを理解する


また、ContextLabでは次のような場合に有効です。

  • キャンペーン前にプラットフォームを横断してデジタル広告のブランドリフト効果を測定する
  • 効果が最も期待できる広告メニューとクリエイティブの組み合わせを明らかにする
  • 最も態度変容単価の効率が良くなる投資配分を、CPMを加味して計算する
  • 広告クリエイティブと相性の悪い場所に広告が表示されることでブランド毀損するリスクを最小限に抑える(ブランドセーフティーを高める)
  • 実際のキャンペーン環境下でテストされたデジタル広告のNORMデータベースと比較しながら、相対的なパフォーマンスを把握する


Idea eValuate、ContextLabの詳細をお知りになりたい方は弊社までお気軽にお問合せください。


本件に関するお問い合わせ先

合同会社カンター・ジャパン
PR/マーケティングチーム
E-mail:marketingjapan@kantar.com  

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