アフターコロナで強まるブランドコミュニケーションでのデジタル活用という課題、 調査ソリューション『ContextLab(コンテキスト・ラボ)』のご紹介

2020.06.17 広報室

アフターコロナで強まるブランドコミュニケーションでのデジタル活用という課題

アフターコロナでは、デジタルシフトは加速するでしょう。今回の新型コロナ危機がこれまでの経済危機と異なる点は、人々の生活を強制的に変容させたという点です。Kantarが世界60カ国以上で実施したCovid-19 Barometer調査によると、人々の在宅時間が増えたことや、娯楽や新しい生活に適用するための情報を求めたことで、テレビやオンラインメディアの利用が日本だけではなく世界的に大きく伸びていました。

学校、会社、集まりといった対面での社会的交流が大きく制限され、その代替としてソーシャルメディアやリモート会議、ゲームソフト「あつまれどうぶつの森」など、社会的交流が大きくバーチャル化した他、購買チャネルにおいても衛生懸念から電子決済の利用が増え、EC利用やECで初めて購入するカテゴリも伸びています。

テレビの利用は在宅の時間が元に戻ることでコロナ前の状態に戻るかもしれませんが、生活のデジタル化は異なります。ソーシャルメディアを通じて生まれた新しいつながりは、スマホ画面を介した友人のアップデートとして人々をアプリに引き戻します。利用したECやオンラインサービスは、再びそこでの購入を促すようにデータを駆使してさまざまな提案をするでしょう。

昨年、電通発表の日本の広告費では、「初めてデジタルの広告費がテレビの広告費を抜いた*」と報じられましたが、新型コロナはこのようにもともとあったトレンドを加速させたという点においても、今回のデジタル利用増加は一過性のものではないと言えるでしょう。
(*電通 日本の広告費を引用:https://www.dentsu.co.jp/news/release/pdf-cms/2020014-0311.pdf

このようなデジタル化の加速の中で、デジタルを駆使したブランドコミュニケーションを科学することがより求められるでしょう。もともとは、カテゴリやブランドへの関与が高い層を見つけ出し、クリックやコンバージョンを効率よく獲得できる媒体やオーディエンス、クリエイティブを選別していくというパフォーマンスマーケティングを中心に発展してきたデジタルマーケティングですが、そこで築かれた成功体験やノウハウは、ブランドコミュニケーションでは必ずしも機能しません。というのも、持続可能かつ収益性の高い成長を可能にするトータルマーケティングROIの白書で紹介されているように、パフォーマンスマーケティング(獲得型)は、ブランドコミュニケーション(育成型)とは根本的に考え方も効果を生みだす手段も異なるからです。

端的には、ターゲティングの考え方が異なります。今日の高関与層を狙うパフォーマンスマーケティングに対して、明日のカテゴリ高関与層の中でブランドを育てていくことを目的とするブランドコミュニケーションでは、より広いライト層にリーチすることが重要になります。クリエイティブにおいても両者のアプローチは大きく異なります。パフォーマンスマーケティングでは、ブランドを記憶に残すことよりも、より反応が高まるクリエイティブを優先するロジックが働きます。一方、ブランドを記憶に残すことは、効果的なブランドコミュニケーションで広告が最低限しなければならないことの1つです。さらに両者では、「最適化」を行うタイミングも違います。パフォーマンスマーケティングでは、広告を運用しながら最適化するのに対して、ブランドコミュニケーションでは事前に最適なクリエイティブをテストして選定します。ブランドリフト調査の結果は、ダイレクトレスポンス広告での反応結果のようにリアルタイムに得られないからであり、これはリアルタイムに得られる行動データでは代替できません。これらの違いが理解されないままキャンペーンを実施すれば、狭すぎるターゲティングはしつこいブランドとして消費者の目に映り、場当たり的に見える複数のメッセージが信頼を傷つけ、パフォーマンスマーケティングでは発生しないマイナスの数字、ブランド毀損が起こるリスクがあります。

デジタルの中で、ブランド広告の主流となっているソーシャルメディア上での効果測定も課題です。今後、高齢化と人口減少が進む日本において、持続可能な成長を続けていくためには、明日の潜在顧客である若者をどうやって取り込んでいくかということが多くのブランドにとって重要です。そのような中で、若者を中心に広く利用されており、しばしばトレンドの発信源となるソーシャルメディアは、若者のテレビ視聴時間が減るにつれてますますブランドコミュニケーションでの役割が増しています。しかし、そのソーシャルメディアを活用していく上でも課題があります。ソーシャルメディアでは魅力的な広告メニューが次々と開発されており、一言でソーシャルメディア広告と言ってもそのバリエーションは多岐に渡ります。さらに近年では、ブランデッドコンテンツやインフルエンサー、分散型コンテンツなど、よりコンテンツ色を強めたアプローチ方法の選択肢が加わっており、それらの中でどの方法や組み合わせが最も期待する効果を発揮するのか、把握しにくくなっています。また、ソーシャルメディア上のブランドリフトを計測するにあたっても、一定量の露出が必要となり、各メディアの各メニューがブランド効果においてどのような特性を持っているかを比較することは非常に難しくなっています。

そして、これらの課題に加えて新たに生まれたもう1つの課題が、コロナ禍で消費者の間に生まれた“ニューノーマル”と呼ばれる新しい習慣や価値観です。“ニューノーマル”にはどういったコミュニケーションが適しているのか、これまで通りの広告クリエイティブやブランデッドコンテンツが受け入れられるのかも大きな課題です。

先述のCovid-19 Barometer調査においても、コロナ禍において消費者は徐々にブランドによる積極的なリーダシップの発揮を期待するようになってきており、ブランドの努力を広告で伝えてもらいたいという声が増えてきています。自分のブランドにとって何が最適なのか、その確かな情報を持っていないブランドが多いこの状況の中で、早期にそれを明らかにしたブランドに市場における次の大きな機会があるということは間違いないでしょう。

ここまでに挙げた課題は、大きく以下の3つに分けられます。

  1. よりデジタルシフトが加速する中で、ブランドコミュニケーションでのデジタル活用ノウハウをどのように構築していくのか
  2. 広告やコンテンツを発信する際に、それぞれのメディアやメニューにはどのようなブランド効果や効率が期待できるのか
  3. コロナ禍で生まれた“ニューノーマル”には、どのような広告クリエイティブやコンテンツが適しているのか

これらの課題に向き合うために求められる重要視点は“コンテキスト”を理解すること

メディアや広告メニュー、広告クリエイティブの最適化を明らかにする際には、まずコンテキストを理解することが重要です。コンテキストとは、以下のように消費者がその広告を目にする際の背景や期待値の違いを指します。

  • どのような形式で広告が表示されるか
  • どのようなマインドセットで、消費者はその広告が表示される画面を見ているか
  • 広告と一緒に表示されているコンテンツはどのようなものか

例えば、同じソーシャルメディア広告でも動画共有サイトの広告では、見たいコンテンツの手前で強制的に広告が5~6秒表示されるのに対して、ソーシャルメディアなどのフィードメディアでは、関心のあるコンテンツの間に非強制の形で広告が表示されるため、消費者の目に触れる時間は平均すると1~3秒程度の非常に短い表示時間になります。そのため、両メディアに同じ広告を配信しても、その広告の消費者からの見られ方はメディアや広告の表示のされ方によって異なり、広告接触により生み出される効果も異なってくるということは想像に難くないかと思います。また同様に、同じメディア上でも異なる広告メニューに広告を配信すれば消費者からの見られ方が変わってくるため、メニューによって効果も異なってきます。

元来、広告クリエイティブはメディアや広告メニューによって最適解が異なることから、TVなどのマスメディアを含めた統合キャンペーンでは各メディアのコンテキストに合わせたカスタマイズが求められます。そして、この原則はデジタルメディアに絞って広告を展開する場合にも当てはまります。

*AdReaction2018より引用

また、パフォーマンスマーケティングでは広告を配信して獲得効果が出るか出ないか、言うなればゼロかイチかの違いに終始しますが、ブランドコミュニケーションでは良いクリエイティブとそうではないクリエイティブには効果のギャップがあるだけでなく、広告クリエイティブがブランドと合わなかったり、ブランドとしてメッセージに一貫性のないものだったりすると、ブランドに対してネガティブな印象を与えるリスクがあり、ブランドへの好意度や購入意向が下がってしまうことにもつながりかねないため、どのような広告クリエイティブを展開するかにも注意が必要です。

これらの点から、ブランドコミュニケーションでは配信先のメディアや広告メニューといったコンテキストを踏まえて、効果を生みやすい広告クリエイティブを事前に選定することの重要性がより増すと言えるでしょう。その見極めをどのようにして解決すれば良いのかを次の章でご紹介します。

コンテキストの違いを踏まえた検証を可能にする「ContextLab(コンテキスト・ラボ)

「ContextLab(コンテキスト・ラボ)」はメディアや広告メニューの違いによる広告クリエイティブの効果の違いを明らかにするためのソリューションで、広告クリエイティブを配信するコンテキストを再現(インコンテキスト環境)し、その環境下で広告接触による効果を計測します。

1つ目の特長:

消費者の広告接触体験を再現するインコンテキスト技術

インコンテキスト環境下の消費者は、普段自分が利用するメディアをそのまま再現したインターフェイス上でテスト広告への接触を体験するため、実際の消費者体験と極めて近しい状況下で広告をテストすることが可能です。例えば、自分がフォローしている人のコンテンツばかりが表示されるフィードメディアの場合、実際にその人のログインアカウントの情報をそのまま再現し、その中にテスト広告を埋め込むことで、普段その消費者が見ているコンテンツに囲まれた状態で、接触したテスト広告がどのくらいのパフォーマンスを発揮するかを計測することが可能になります。

「ContextLab(コンテキスト・ラボ)」の検証軸は、4つ(メディア/広告メニュー/広告クリエイティブ/デバイス)あり、これらを掛け合わせることで、以下のように広告を配信した際に期待される効果(ブランドリフト)を、様々なコンテキストで計測することができます。

  1. 同一の広告クリエイティブが、異なるメディアに配信された際の効果の違い
  2. 同一の広告クリエイティブが、あるメディアで異なる広告メニューに配信された際の効果の違い
  3. 同じメディア、同じ広告メニューで、異なる広告クリエイティブを配信した際の効果の違い
  4. 上記①~③について、スマートフォンとPCでそれぞれ配信した際の効果の違い

なお、テスト用のインコンテキスト環境は、YouTubeやTwitter、Instagram、Facebook、TikTokなど主要なソーシャルメディアをカバーしており、リリースして間もない広告メニューでもタイミングによっては検証に加えることができます。

2つ目の特長:

視聴行動データも計測できる

また、インコンテキスト環境を利用したテストでは、ブランドリフトの計測に加えてテストに参加した消費者の視聴行動データも取得していることから、メディアや広告クリエイティブによる消費者の視聴行動の違いはもちろん、視聴行動と広告効果の関係を明らかにすることができ、各メディアに合わせてクリエイティブをカスタマイズするための示唆を得ることも可能です。

3つ目の特長:

実施タイミングを選ばない

そして、インコンテキスト環境を利用することで検証タイミングを柔軟に設計できるというメリットも存在します。インコンテキスト環境は、実際の消費者体験を再現しますが、テストを実施するに当たり、実際の広告配信を行う必要がありません。そのため、キャンペーンの開始前に最適なメディアや広告メニュー、広告クリエイティブを選定したり、すでに開始しているキャンペーンと並走する形でテストを実施したり、終了したキャンペーンの振り返りとしてテストを実施したりするなど、目的に合わせてテストを行うことが可能です。いずれのタイミングで実施したとしても、その実査時点で広告を追加で配信するとどれくらいのブランドリフトが期待できるかということを結果としてご報告することになります。

より発展的な活用方法:ContextLabの検証データと実際の広告買付単価を組み合わせたシミュレーターの開発

ContextLabによって得られた広告効果のデータは、どのメディアの、どのメニューに、どの広告クリエイティブを配信することが最もブランドリフトを生み出しやすいかを明らかにしますが、そこにCPMなどの実際の広告買付単価の実績データ*を組み合わせることにより、それぞれの効果を生み出すためにかかる費用をシミュレーションし、その中から最もコストパフォーマンスの良いメディア、広告メニュー、広告クリエイティブの組み合わせを導き出すことが可能になります。そして、このデータは蓄積していくことで精度の向上が期待できることから、長期的にブランドを高めていくための武器の1つとして広告主のブランドコミュニケーションをサポートします。

*広告買付単価のデータは広告主からの提供が必要です。

この記事に関するお問い合わせはこちらから

カンター・ジャパン / メディア&デジタル 
Marketing@kantar.com

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