どうする!?ニューノーマルで加速したデジタルシフト、新しいエコシステムで勝つための調査ソリューション『CONNECT(コネクト)』のご紹介

2020.06.15 広報室

複雑化したブランド体験におけるブランドの挑戦

現代において消費者はブランドと接する機会が増え、あらゆるタッチポイントでブランドを“体験”しています。マーケティングにおいても、従来のテレビを主とするコミュニケーションや商品購入前でのアクティベーションだけではなく、多くの接点をブランド形成の機会として捉えることができるようになりました。そして、今回の新型コロナ危機によって消費者の行動はさらに変化しています。制限された社会的つながりや娯楽の代替としてソーシャルメディアの利用は大きく伸び、フォローしたアカウントやチャンネルからは、新しい情報やコンテンツ、インスピレーションが継続的にアップデートされます。そうした刺激は、それまでの生活を再評価するトリガーとなって情報検索ニーズを高め、そして、Eコマースやキャッシュレス決済、VODやデリバリーサービスといった新しいサービスへの加入も大きく伸びました。したがって、アフターコロナのマーケティングでは、まず、メディアプランやパス・トゥ・パーチェイスの見直しが急務となるでしょう。実際、アフターコロナに一足先に入っている中国ではそのようなマーケターのニーズが高まっているようです。 

このように複雑化しているブランド体験の中で、消費者は消費者をより信頼するようになりました。Kantarがグローバルで行った調査「DIMENSION2020*1」で聴取された「ブランドやサービスに関して信頼している情報元」についての結果は、アーンド>オウンド>ペイドという構造がはっきりと表れています。 

このような構造の中では、コミュニケーションと体験の一貫性がより重要になります。例えば、広告で「甘くておいしい!」というメッセージを印象付けることができた人が、友人から“言うほど甘くない”という体験を共有されたとします。そうすると、店頭で広告と同じように「甘くておいしい!」というアクティベーションを見かけたとしても、友人の体験の方がより信頼されているので購買への影響力は弱まります。これは、食品での例えですが、検討プロセスが長く、体験プロセスが多い耐久財やサービス業では、よりこの傾向が強く出ます。つまり、消費者による評価が他の消費者に与える影響力が高まっている今、アーンドによる影響を前提として、ペイドやオウンドでのコミュニケーションと体験をデザインしていくことが重要になるのです。 

ブランドは、ホリスティックなブランド体験すべてにおいて、消費者に良い体験をしてもらい、ファンを広げ、心理的ロイヤリティを高めていくことが望ましいと考えます。しかしながら、予算やリソースには限界があります。すべての接点で体験の広さと質を担保することは現実的ではありません。特にアフターコロナでは、多くのカテゴリで予算削減が必至であり、なおさらそれが難しくなる状況があります。いままでのやり方を変えずに、単純に予算削減してしまうと、短期的なセールスだけではなく、長期的な成長の源泉となるブランドエクイティをも弱めてしまうのです。

タッチポイント戦略の糸口

Kantarが、延べ40万のタッチポイントについて550のグローバルの調査結果を用いてメタ分析*2 したところ、ブランドを囲む360度すべてのタッチポイント効果のうち、ペイド接点の効果は25%をカバーしており、残りの75%はオウンドやアーンドの接点が効果を占めていることが分かっています。アフターコロナにおいて消費者は、今まで以上に他の消費者の口コミや評価に影響を受けていることを鑑みると、この割合は今後さらに変化していく可能性があります。 

近年、行動経済学やニューロの世界では「記憶の強さ」がブランドの選考に影響を与えるということがわかっています。従来通り、消費者の記憶の中でブランドの鮮度が失われないよう想起性を維持しつつ、イメージステートメントによって意義ある差別性となるブランドの意味を管理していくことは、ブランドを成長させていくために重要です。一方で、記憶というのは、文字で書かれたステートメントだけではなく、あるモーメントでの映像や音など、ブランドと共に五感を通じて体験されたものを含んでいます。そしてそれは、感情をともなった体験であればあるほど、はっきりと強く記憶に残ります。つまり、ブランドと消費者との接点が増えるということは、どの接点での体験をシグネチャーモーメントとして記憶に残すかという「新たな差別化の機会」でもあるのです。 

さらに人間の思考回路には、自動的・直感的・無意識的なシステム1と、熟考・計画的・論理的なシステム2とがあります。脳は基本的には怠け者なので95%の選択はシステム1で無意識的に行われていると言われています。 

一方、例えば “洋服にコーヒーをこぼした!”という通常と異なるきっかけが起こったとき、解決方法を探すために「どの洗濯用洗剤のブランドが良いだろうか」と熟考するシステム2が発動します。そこで「汚れに強いブランドって他にもあるのかな」とオンラインで検索したり、店頭の棚でPOPを比較したりするという行動が起こります。その際、“店員さんにおススメされたブランドを試したらよく汚れが落ちた!”といった良いブランド体験をした記憶が強く残れば、そのタッチポイントとブランドは強く結びつき、今後遭遇した同じ場面やタッチポイントでは、システム1が働き、無意識的にブランドを選択するとされています。

カテゴリのリーダーブランドは、強い記憶をメンテナンスし、システム2を発動させずにシステム1を競合よりも占有し続けることが課題であり、一方、カテゴリのチャレンジャーブランドは、特定のタッチポイントで消費者に対していかに記憶に残る体験をさせ、そこを突破口としてシステム2を発動させるかが課題となります。データによって翻弄されやすい時代であるからこそ、タッチポイントの選択と集中を検討する際は、体験の「量」だけではなく「質」も考慮し、ブランドの成長につながるタッチポイント戦略を考えていくことが次世代のマーケティングには必要だと私たちは考えています。 

ニューノーマルを攻略するニューノーマルな調査ソリューション

このように、複雑化するものの新たな差別化の機会を提示するタッチポイント課題に対する解決策として、カンターが開発したソリューション「CONNECT」をご紹介します。これは、先述した行動経済学やニューロの考え方を、サーベイデザインの革新やヒューリスティックな多変量解析に応用して開発された調査ソリューションです。

消費者を360度囲む包括的ブランド体験のすべてのタッチポイントを同じ土俵で評価したときに、どのタッチポイントがブランドにとって効果的であり、効率的なのかを明らかにします。タッチポイントの効果とはブランドKPIに対する特定期間の活動による純増効果を指しており、各タッチポイントの効果は、“消費者がどれくらいそのタッチポイントでそのブランドに接触したことを鮮度高く覚えているか”というメモラブルな「リーチ」と、“消費者がそのタッチポイントでブランド体験を記憶した際、どれくらいブランドへの態度が高まるか”という「質」に分解されます。さらに、CONNECTは競合比較も可能なため、自ブランドの強み・弱みを把握した上で、タッチポイントでのブランド体験をより良くしていくために、競合と比較してタッチポイント活動をどう改善していけば良いかの示唆を得ることができます。 

また、CONNECTは、長期的なブランド成長のためのタッチポイント戦略を主としたソリューションであるものの、様々な拡張モジュールが用意されており、個別のビジネス課題を解決していくことも可能です。例えば、Kantarの持つアナリティクスソリューションと組み合わせることで、短期的なROIと長期的なROIを統合したトータルマーケティングROI(TMROI)の視点から最適なマーケティングミックスを提示することも可能です。その他、ブランドにとって鍵となるイメージはどの接点から作られているか、カスタマージャーニーやパス・トゥ・パーチェイスを見渡した時にどこをどうやってテコ入れすべきかといったビジネス課題にも活用することができます。

冒頭でご説明したように、新型コロナウイルスによって消費者のブランド体験構造は急速に変化したことが考えられます。そのような変化をいち早くとらえてプランニングしていくにあたって、CONNECTは強力な武器になるでしょう。

CONNECTのアプトプットイメージ

カテゴリの中で自ブランドのブランドエクイティを出します。それを、過去の活動の蓄積により固定化しているエクイティ部分と、直近のブランド体験によって新たに作られた効果部分とに分解します。


直近のブランド体験効果を、どのタッチポイントから来ているかのランキングにします。ここで、どのタッチポイントがブランドにとって効果的か、もしくは効果を発揮出てきていないかを把握します。

さらに、それぞれのタッチポイント効果を、“どれくらいそのタッチポイントでそのブランドに接触したことを鮮度高く覚えているか”というメモラブルなリーチと、リーチあたりの “どれくらいブランドへの態度が高まったか”というクオリティに分解していきます。

例として、テレビCMと体験イベントやサンプリングをあげました。X軸は、“そのブランドに接触したことを鮮度高く覚えている”というリーチ、 Y軸は、“その体験を記憶することでブランドエクイティがどれだけ高まるか”の質を示しており、バブルのサイズはその接点によるブランド効果のボリュームを表しています。ここで見ると、ブランドAのテレビCMについては、カテゴリ内のBest In Classよりもリーチは小さいものの、リーチあたりの態度変容に対する体験の質はBest In Classと同程度ということが分かります。一方、体験イベントやサンプリングのタッチポイントでは、ブランドAはBest In Classと比較してリーチは大きく負けているものの、体験の質はカテゴリ内でトップであり、このタッチポイントはブランドAの強みであるということが分かります。

さらにこのタッチポイントを強化する際、ブランドAのネクストステップとして、すでに体験の質は高いため、投資を増やしその投資をリーチ拡大に使うことで、より効果を増大させるポテンシャルがあると読むことができます。逆に、Best In Classの場合だと、すでにリーチは広いので、体験の質を上げるような施策の工夫が必要となってきます。

最後に、バジェットオプティマイザーというオプションを使用すると、ペイド接点でのメディア投資配分についても示唆を得ることができます。各接点への特定期間の投資データとその効果を比較して、投資配分を調整することで期待できる効果を可視化します。例えば、以下はEUおよびアジアのブランドが、コロナ危機によって利用者が減った屋外広告やスポーツイベントの投資をゼロとしたとき、期待されていた効果がどれくらい減少するかを求めています*3。その上で、影響を受けていないペイド接点の投資分配を最適化すると、通常時とほぼ同程度の効果が得られるということが分かりました。さらに、影響を受けた接点に投資していた金額も含めて各接点への投資を最適化した場合、当初の計画を上回る効果が期待できることも明らかになっています。

参考文献:

  • *1: Kantar DIMENSION study 2020 
  • *2: 550のCONNECT調査で検証した40万タッチポイントについてのメタ分析 
  • *3: CONNECT Case study 

この記事に関するお問い合わせはこちらから

カンター・ジャパン / メディア&デジタル 
Marketing@kantar.com

この記事をシェアする