KANTAR TNS

疑い深い日本人!? 3人に2人は、オンライン上のブランドとの関わりに不信感 /「Connected Life(コネクテッド・ライフ)2017」最新版レポート公開

2017年10月16日 広報室

ブランドに対する信頼度は、先進国と新興国で二分化の傾向
~世界のデジタル消費・利用動向調査「Connected Life(コネクテッド・ライフ)2017」最新版~

株式会社カンター・ジャパンは、KANTAR TNSが毎年実施している世界56か国、計7万人の消費者を対象に実施したモバイル・タブレットなどのデジタル機器やデジタル関連サービスの消費・利用動向調査「Connected Life(コネクテッド・ライフ)」最新版のデータやレポートを日本企業向けに提供いたします。関連ページはこちら

最新の「Connected Life(コネクテッド・ライフ)」調査では、オンラインの普及によりブランドと消費者が交流しやすくなりタッチポイントがより増加する中で、消費者が抱く感情を4つの「TRUST」(信頼度)の分野において分析しています。また、その結果、日本のようなデジタルエコシステムの成熟度の高い先進市場と、携帯電話がオンライン接続の第一手段である新興市場とでは、まったく対照的な傾向があることが明らかになっています。


テクノロジーへのトラスト/ Trust in technology

—オンライン上でつながるブランドを信頼している消費者は少ない
最新の調査データによると、日本人は1日あたり約4.1時間もインターネットを利用しているにも関わらず、ブランド側はオンラインのチャネルを通じて消費者とつながることに苦戦していることが分かっています。また、消費者は、個人データを得ようとするブランド側の動機に懐疑的であるため、ブランドと消費者が関わる機会は減少の危機にさらされていることも明らかになっています。
アジア・パシフィック地域のデータを見ると、この傾向は日本に限らず、オーストラリア、ニュージーランド、韓国などの他の先進市場で更に低い状態にあり、それぞれ19%、21%、31%となっています。対照的に、携帯電話がオンライン接続の第一手段である新興市場においては、オンライン上でもたらされるブランドとつながる機会に対して楽観的であり、信頼度の数値は大幅に上昇します。ベトナムでは、54%の人がオンライン上のブランドを信頼しており、ブランドの提供する商品、コンテンツやメッセージを好意的に受け止めていることが分かり、デジタルエコシステムの成熟度によって、消費者の二分化が見られました。
日本のデジタルエコシステムは発達しているにも関わらず、チャットボットのようなAIを搭載した機械とのやり取りについて、「質問に対してより速く回答が得られるのであれば受け入れるであろう」と回答したのは28%のみでした。テクノロジーの進化は人々の生活をより便利にシンプルにするためですが、逆にそれによって悩まされていることも明らかになっており、16-24歳の日本人の38%が携帯電話を日々の生活の中で使いすぎていると考えているようです。(図1)

コンテンツへのトラスト/ Trust in what I see

—ソーシャルメディアのプラットフォームに強い不信感
多くのブランドが消費者により速く、簡単にリーチするためにソーシャルメディアのプラットフォームに依存しています。しかし本調査では、フェイクニュースなどの間違った情報の氾濫により、それらのチャネルのコンテンツがますます消費者から疎まれ、信頼性を失っているということが分かっています。オーストラリアの消費者の半数近く(47%)が、ブランドによってソーシャルメディアチャネルに投稿されるコンテンツは意味のないものだと感じています。日本でも、35%の消費者はソーシャルメディアのフィードで目にするコンテンツに対するプラットフォームからのコントロールに懸念を抱いており、ニュージーランドやオーストラリアではその数値はそれぞれ51%、50%にも上ります。(図2)しかしこの割合は、インドネシアでは15%、ベトナムでは14%にまで下がり、アジア・パシフィック地域の新興市場においては明らかに対照的であることが分かります。

データへのトラスト / Trust with my data

—半数以上の消費者が、ブランドが保有する個人情報量に懸念
データに関して言えば、日本を含む先進市場の消費者は、オンライン上で提供している自分自身の個人情報の量について、より用心深くなっていることが分かっています。日本の消費者の半数近く(48%)が、どんなに便利になるとしても、自身の行動を監視するデバイスに接続することに抵抗感を抱いており、さらに51%の人は、ブランドが所有している自身の個人データの量に関して懸念を抱いています。アジア・パシフィック地域全体でみると、その数値は52%に上がります。(図3)これは、世界平均の40%よりも高い数値でした。
しかし、新興市場ではこの数字はかなり低くなり、例えばミャンマーでは12%、フィリピンで15%、ベトナムで18%、タイでは20%となっています。このような国々では、ブランドから得られる取引上の恩恵(個人データを提供する代わりに受け取る謝礼など)に対する消費者の期待が高いようです。

e-コマースへのトラスト/ Trust with my money

—携帯電話で購入決済をしたいと回答した日本の消費者は、たったの14%
ワンプッシュでお気に入りの商品を注文できる「購入ボタン」やモバイル決済など、近年、eコマースがより身近になる新しいテクノロジーが次々に導入されているにも関わらず、多くの消費者がその恩恵を得ることよりも、その信用度について慎重になっています。デジタルエコシステムが成熟している日本でも、携帯電話で商品購入の決済をしたいと回答した人はたった14%です。ブランドや企業が消費者にオンライン決済をもっと受け入れてもらいたいと考えるなら、それによって得られる恩恵を偽りなく、適切な形で示す必要があることは明らかです。
この傾向は、アジア・パシフィック地域全体においても同じで、消費者の多くはモバイル決済をほとんど受け入れていません。これはオーストラリアやシンガポールなどの先進市場にも当てはまり、決済エコシステムが進歩しているにも関わらず、それぞれ53%と42%の消費者は、携帯電話を利用した決済はしたくないと考えています。(図4)
一方、新興市場となる中国の消費者の64%は、全ての買い物を携帯電話で済ませることを好む傾向がありますが、タイとベトナムの消費者の46%は、モバイル決済を使用したくないと回答しています。これは、クレジットカードの所有率の低さ、そして詐欺的商品の多さや物流の未発達などが障壁となっているとみられ、革新的なソリューションが求められていることを意味しています。

■まとめ
インターネットが急速に普及したおかげで、今やブランドはいつでも、どこでも消費者とつながることができるようになりました。多くのタッチポイントが増え続ける一方で、デジタルエコシステムの発展した市場においては、過度なコミュニケーションが消費者との間の不信感の原因となってしまっています。消費者からの信頼を得て、それを守っていくためには、ブランドはまず、顧客第一を掲げる必要があります。つまり、消費者の動機を理解し、消費者を巻き込むのに適切な「Moment」を正しく理解し、ブランドが消費者の個人データをいつ、どのように収集し、活用するのかについて、もっと透明性を高めなければなりません。
一方、これまでブランドと消費者の間で同じような繋がりがなかった新興市場においては、状況は全く異なっています。新興市場の消費者はオンラインの世界がもたらす可能性に対し、今もなお好意的です。新興市場において、消費者との信頼性を築き上げてきたブランドは、その期待に応えられるよう、先進市場の失敗から学び、慎重に歩みを進める必要があります。

■調査概要
調査名称:『Connected Life(コネクテッド・ライフ)』
調査内容:媒体の消費、デバイスインフラ、デジタル活動、時間帯別の使用、調査/購買
(オンライン、オフライン)、回答者プロフィール、分野別タッチポイント、およびオンラインカスタマーサービス。
調査対象:16歳から65歳のインターネットユーザー
調査時期:2017年5月~8月
調査方法:主にインターネット調査(日本含む)。国により対面など、オフラインでの調査
対象者数:56ヵ国、約7万人
調査実施:KANTAR TNS
※本調査は、企業の業務分野において消費者行動がどのように変化しているのかを理解するだけにとどまらず、ブランドとの関わりにおけるタッチポイント、e-コマースの促進要因、ソーシャルネットワークやテクノロジーに対する人々の考え方などを研究し、「コネクテッド・ワールド」におけるブランドや企業のベストな意思決定に貢献いたします。

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