インスピレーション

【“このタッチポイントの効果は?”シリーズコラム】第2回 消費者自身の使用体験

2020年9月3日 広報室

ブランドに“直接”触れる体験は意思決定やブランド構築の鍵

コロナによる自粛期間中、オンラインで何かを買おうとしたものの「やっぱり直接見て確かめてから買おうかな」と購入を踏みとどまった経験はありませんか。車を購入する際は試乗してから決断したり、コスメを購入する前に一度店頭で試しにつけてみたりするように、そのブランドやサービスを実際に体験してもらうことは、ブランドの魅力的な価値を伝え、消費者をエンゲージし、信頼性を高める方法の一つです。

デジタルシフトが進む現在においても、Appleはあの有名な自社ストアにて消費者が実際に商品に触れて使用感を確かめられる・確かめたくなる環境作りに力を入れています。あなたはなぜだと思いますか。それは、物理的な使用体験が未だに意思決定やブランド構築の鍵を握っているからです。そのため、ブランドはこういったブランドに“直接”触れる瞬間を促すような革新的な方法を考える必要があります。

実際に接客や店頭、イベントでの製品体験のような五感を刺激する体験タッチポイントはブランドエクイティの形成に一役買っているというデータがあります。75,000超のタッチポイントを計測している弊社のCONNECTデータベースを元に分析したThe Human Touch in a digitalのレポート*1によると、ブランド体験に関連するタッチポイントはブランドの好意度形成に貢献したタッチポイントの50%近くを占めることが分かりました。例として、ある小規模ビスケットブランドがカフェやバー、レストランで出されるコーヒーのお供として製品サンプルを提供したところ、好意度が20%向上したというケースも報告されています。


特に消費財では、質の高い“経験や体験”を消費者に届けるタッチポイント戦略は、ブランドにとってユニークなブランド戦略になり得ます。先ほどのビスケットブランドは、カフェやバー、レストランで製品サンプルを提供し好意度を向上させたことでトップブランドにまで成長し、結果的にこの戦略によって広告活動を主体としている他ブランドに対して差別化を図ることに成功しました。さらにこのブランドは、ブログや料理系サイトでも自社製品を使ったレシピを提供して大きな存在感を出すことによってブランドの信頼性を高め、様々なタッチポイントを巻き込んだ“ブランド体験”を中心としたコミュニティを形成しています。

使用体験は単独効果だけではなく様々なタッチポイントとシナジー効果も生み出す

上述のビスケットブランドのように、ブランドのタッチポイント戦略を成功させるためには、従来のペイドメディアであるテレビから、デジタルや顧客体験までのすべてをブランドに合わせてバランスよく利用する必要があります。Kantarの調査では、消費者自身の使用体験というタッチポイントは、テレビや友人・家族との会話と合わせて、ブランド形成に対してインパクトの大きいTop3のタッチポイントのひとつだということや、消費者自身の使用体験はほとんどのタッチポイントと高いシナジー効果を生み出すということが分かっています。またKantarは長年、メディアは広告を通じて消費者が期待する製品やサービスの味、質、パフォーマンスといった特徴を表現することで消費者の使用体験を高めると伝えてきました。これは別の言い方をすれば、消費者の使用体験の良し悪しが広告への反応の違いに影響するという意味も含まれています。つまり、広告が「甘くておいしい!」と伝えており、実際に食べてみて甘くておいしければ、その後商品の広告を見た際にポジティブなイメージを持ったりそのブランドの新製品広告に注意を向けやすくなったりするかもしれませんが、実際に食べてみてあまり甘くないと消費者が感じた場合にはネガティブなイメージを持つ可能性があるということです。Kantar  GlobalのClient Service Director であるNiels Neudeckerのブログにおいて「口コミ」は“今後さらに影響力を増していくタッチポイントだ“とされていますが、広告での訴求と実体験の一致/不一致はその「口コミ」をさらに加速させる最強の促進剤となり得るでしょう。


さらに、物理的に接触可能なタッチポイントや対人でのタッチポイントは、デジタルで補完することでより効果を発揮するとも言われています。ある美容カテゴリのブランドは店頭陳列とDX(デジタル上での体験)を効果的に統合しブランドエクイティの構築に成功しました。特にミレニアル世代におけるこの組み合わせでのアプローチは、意向に対する全タッチポイント効果の約30%を占めました。ここで興味深いことは、デジタルネイティブなミレニアル世代であっても店頭でのブランド体験を望んでいるということです。消費者に対して、インターネットはこの美容ブランドへの信頼度を養い、店頭は人間味のある形でブランドや製品に実際に触れることができる環境を作り、これらの体験の中で消費者は仲間内で価値観や関連している製品とともに自分たちの興味関心を共有することでコミュニティ意識が高まっていきます。成功するブランドは、テレビや店頭での体験を含む従来型メディアとデジタルのシナジー効果を上手に活かす術を知っているのです。

タッチポイント間のシナジー効果も測れる調査ソリューション

では自ブランドにおいて、 “消費者による使用体験”のタッチポイントでは消費者はどういったブランド体験をしているか?改善の余地はあるのか?その他のタッチポイントとどのようなシナジー効果を生み出しているのか?といったタッチポイント課題に対する解決策として、カンターが開発したソリューション「CONNECT」をご紹介いたします。これは、消費者を360°囲む包括的ブランド体験すべてのタッチポイントを同じ土俵で評価したときに、どのタッチポイントがブランドにとって効果的であり、効率的なのかを明らかにします。タッチポイントの効果とはブランドKPIに対する、特定期間の活動による純増効果を指しており、各タッチポイントの効果は、“消費者がどれくらいそのタッチポイントでそのブランドに接触したことを鮮度高く覚えているか”というメモラブルな「リーチ」と、“消費者がそのタッチポイントでブランド体験を記憶した際、どれくらいブランドへの態度が高まるか”という「質」に分解されます。さらに、CONNECTは競合比較も可能なため、自ブランドの強み・弱みを把握した上で、タッチポイントでのブランド体験をよりよくしていくために、競合と比較した上でタッチポイント活動をどう改善していけば良いかの示唆を得ることができます。加えてこのタッチポイントの強みである“他のタッチポイントとの相乗効果”についてもシナジーモジュールという追加オプションを用いて計測することが可能です。詳しくはCONNECT紹介サイトをご参照ください。

参考資料

Nielsのブログはこちら




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