世界中どの国においても、子どもの行動を理解しようとすることは難しいものですが、識字率が低い発展途上市場ではこれがさらに困難になります。調査しようとしていること、そしてその調査結果から得たい情報をこういった発展途上国の子供たちに説明する方法は非常に難しいことなのです。
ユニリーバ・インドネシアは、幼い子供たちに歯磨きをするよう促すための社会プロジェクトに大幅に投資しました。彼らはテレビ広告を使って学校や保育所でPRプログラムを運営していましたが、彼らの努力が実際に子供たちの習慣を変えているかどうかを評価することに苦労していました。
インドネシアのKANTAR TNSはこれを簡単に解決したのです!子供たちにとっては楽しく、調査にお金がかかるわけでもない、しかしながら子供たちの行動を的確に捉える方法とは。
通常の調査手順では、子供たちにインタビューをして記録を残すことをお願いするのですが、このときKntar TNSが行ったことは、それをはるかに超える楽しいものでした。 – それが、ステッカーダイアリーです。シンプルなグラフが壁にかけ、子供たちは睡眠、洗濯、食事、テレビ、もちろん歯を磨くなど、あらゆる種類の日常活動を表す写真を貼り付けました。この絵画的技法は字を読めない子供たちにも実践できたのです。そして日記形式で行うことは、子供たちにチャートの使い方を教える手助けとなりました。
このシンプルなソリューションは、ユニリーバにとって非常に効果的であり、インドネシアでの口腔ケアプロジェクトの実情を正確に測定できるようになりました。
例えば、このステッカーダイアリーが導入される前に、1日の歯磨きの頻度は1日2.4回でした。このステッカーダイアリーは、頻度が低いことを明らかにしたのです。また、3分の2の子供たちが定期的に磨くと思われていた「ナイトブラッシング」において、実際の数はわずか3分の1でした。これらのブランド側の思い込みとの不一致を解明することで、ユニリーバはメディアコミュニケーションと学校プログラムの内容を適切に調整することができました。
インドネシアのプロジェクトが成功したことを受けて、KANTAR TNSのこの手法は、いまでは発展途上国の子供たちを巻き込んだあらゆる種類のプロジェクトで積極的に取り入れられています。